資金繰りの基本① 「勘定合って、銭足り続けられますか?」

「勘定合って、銭足らず」

という言葉を聞いたことがあると思います。


「勘定」つまり帳簿上では、利益がたくさん出ているが、

実際の手持ち現金は、それほどないそんな状態です。

 

上手な資金繰りとは、「勘定合って、銭足り続ける」ことだと思います。


足らず?足り続ける?

具体例で説明します。

 

まず、勘定合って銭足りている状態とは、

例えば、元手50で、商品を50で仕入、その商品を100で販売したとします。

※すべて現金で取引したと仮定します。


帳簿上(損益計算書)は、

売上  100

仕入   50

利益   50   利益が50でました。

 

手持ち現金も

元手    50

仕入   △50

売上   100

残高   100 元手50が100となり、現金が50増えました。

 

損益計算書上の利益50と同じだけ手持ち現金が50増えています。

この状態が勘定合って、銭足りている状態です。

つまり、資金繰りがうまく行っている状態です。

 

仮にこの状態で決算を迎えた場合、帳簿上の利益50に対して

税金20が発生しても、納税資金は確保されています。 

(実行税率40%とした場合、詳細省略)。

 

次に、勘定合って銭足らずの状態です。

先ほどと基本的に同条件ですが、元手50で、商品を50で「現金仕入」

その商品を100で「掛け売り」したとします。

 

帳簿上(損益計算書)は、 

売上  100

仕入   50

利益   50 利益が50でました。先ほどと同じです。

 

手持ち現金は、 

元手   50

仕入    △50

売上    0

残高      0  掛け売りなので、手持ちがゼロ(売掛金は100)になります。

 

損益計算書上の利益50となりますが、

手持ち資金は、ゼロとなり差異が生じています。

「勘定合って銭足らず」の状態となります。

 

仮にこの状態で決算を迎えた場合、帳簿上の利益50に対して

税金20(上記と同条件)が発生しますが、

納期限までに売掛金が入金されなければ、納税資金がありません。

 

借入、出資もしくは売掛金の一部を早めに入金してもらうなど

何らかの対策、つまり「資金繰り」が必要となります。

 

入金、出金のシュミレーションをして

常に資金がショートしない状況をいかに保てるか

「勘定合って、銭足り続けられる」かそれが、上手な資金繰りです。